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SHOEI Z8 レビュー。これはすごいヘルメット!

Published | 2022年4月23日  Photo | --

2年前にショウエイのヘルメット「グラムスター」を購入したのですが、昨年新たに「Z-8」が出たということで少々気になっていた私。グラムスターは非常に気に入っているので、浮気心でしかないのですが…物は試しにグラムスターをヤフオクで出品してみたところ、かなりの価格で売却に成功。その足でZ-8を購入してみました。

届いたZ-8をさっそく開封。見た目はグラムスターの方が格好いいですね。ただその性能は…

このZ-8、発売当初はかなりの人気で品薄だったようですが、最近は(2022年4月)在庫が揃ってきてる様子。私もネット注文して数日で、自宅に届きました。注文したのはLサイズのブラック。前回グラムスターはマットブラックにしたのですが、今回はツヤありブラックとしました。理由はマットブラックは格好いいのですが、手入れが大変だったからです(拭いてもきれいにならない)。艶有りブラックも傷などは目立ちそうですが、ウェスでさっと吹けばある程度きれいになり”そう”だったので選んでみました。

外観・内装レビュー

結論から言いますと、素晴らしい出来栄えです。僕はグラムスターの前に、Z-7も持っていたのですが、圧倒的な進化を感じました。しかも、全方位的に。これは…マジで、すごいヘルメットです。まずはZ-8の外観、内観についてです。

被りやすさ & フィット感

まず「被りやすさ」について。正直、以前持っていたZ-7は、被り口がかなり狭く耳が痛くなっていました(特にヘルメットを脱ぐ時、耳が引っ張られてすごく痛い。内出血したこともあります)。一方で、このZ-8はめちゃくちゃ被りやすくなっていました。耳が、全然痛くないです。被り口は、Z-7同様に狭く、また実際にタイトなのですが、パッド形状の見直しと素材がすごくソフトになったのが被りやすさの理由かと思います。もちろん、脱ぐ時も非常にスムース。

友人がZ-6を使っていて「脱着がキツイ」と言っていますし、Z-7もキツかったのですが、Z-8になってようやく解決したと言えるのかも知れませんね。ヘルメットの脱着って、ツーリングなんかだと結構頻繁にありますから、非常に大きなプラスポイントと言えます(僕には)。

またフィット感(被り心地)は、頬にかなり圧迫感があります。まぁチークパッドが新品というのもあるのだと思いますが(通販購入のため調整なし)、痛いとか不愉快な感じはありません。装着した感じは、Z-7に似ている印象です、やはり。今回試乗で2時間ほど被り続けましたが、すぐに慣れて圧迫感のことは忘れていました。その程度ですね。

通気性

Z-8のベンチレーションは、額と顎部分にそれぞれあります。まず額部分は、3箇所のベンチレーションが用意されています。これはZ-7と同様ですが、エアインテークホールはZ-7より1箇所増えているとのこと。これによって冷却性能がかなりあがっているとのことでしたが、実際試してみると、Z-7よりも格段に涼しい!! 正直、Z-7はヘルメットのエアインテークホールをやや斜め前にしてようやく風が入ってくるのを感じるレベルでしたが、Z-8はただ開放するだけで相当に涼しいのがわかります。

フロント2穴(Z7は1つだったようです)、両サイドに大きめの穴が1つずつ。かなり効果があります。

一方でアゴ部分は、Z-7とあまり変化ない気がします。そこそこの効果…と言ったところでしょうか。上部のベンチレーションの効果が大きく上がったので、感じづらくなっている可能性もありそうです。ちなみに開閉はシールドのボタンがあるので、少しやりづくなっている気がします。

アゴ周りにもベンチレーションあり。ここはZ-7からあまり進化を感じないかな…。

シールド

Z-7からの大きな変更点が、シールドのロック。Z-7まではシールドのやや右サイドにロックがありましたが、今回からセンターに移動しました。またセンターにあるボタンを軽くプッシュするだけで、シールドを開くことができます。こちら賛否両論あるようですが、個人的にはすぐ慣れました。使いやすいと思います。

写真の指部分をプッシュすれば、かんたんにシールドは開閉できます。

視界も良くなりました。Z-7は両サイドの視界が少し悪く、グラムスターに買い直した時に「すごく視界が広がった」と思っていました。ただZ-8はグラムスターと同等の視界があるように思います。これはピンロックのピンの位置がZ-7より後方になったのが大きいようですね。

ピンロックのピンが大幅に後退しています。

最後にシールドの位置調整についてです。シールドの位置調整は使用過程で、シールドとヘルメットの間にあるラバーが劣化した際、シールドを後ろ側にズラすことで密着度を維持する機構です。これはZ-7でもあった機能ですが、Z-8では以前のダイヤルタイプからレバータイプになったので、より簡単に調整が可能になりました。ちなみに、調整幅は1mm程度のようです。

ボルト下にあるレバーでかんたんに調整できます。ちなみにレバーを上にすれば標準。下にすればシールドが後ろに密着します。

オプション・シールド

シールドはノーマル?以外に、オプションでいくつかラインナップされています。まずノーマルベースでスモークレベルが異なる「CWR-F2 シールド」が5種類(クリア、メロースモーク、スモーク、ダークスモーク、イエロー)で、価格は6,600円(税込。2022年4月現在。以下同様)。

そしてミラータイプが2種類(ソフトスモークミラー、スモークミラー)で、価格が12,100円(税込)。最後に紫外線に反応してシールドがクリアからスモークに変化する「CWR-F2 フォトクロミックシールド」で、価格が22,000円(税込)。

シールド価格、これは絶対に高すぎると思います…3000円くらいで売ってくれたら、もう少し頻繁に変えられるのですが。

個人的にはかなり評判のいい「CWR-F2 フォトクロミックシールド」を購入しようかと思いましたが、価格が22,000円と、とにかく高い。ヘルメットと合わせると8万円クラスになるので、諦めて通常のスモークシールドとしました。ダークスモークと迷いましたが、グラムスターがダークスモークで、夕方くらいになると視認性が悪くて困っていたのでスモークを選択。

スモークシールドを装着した状態

こちらがスモークシールドを装着した状態です。ダークスモークより確かに少し、薄い感じですね。ただ外から顔が見えることもなさそうです。

スモークの度合いがわかりますでしょうか?

インカム装着

Z-8はインカムの装着も非常に楽になっていました。なんと、ヘルメット内側の両サイドにスピーカーをはめ込める穴が空いています。Z-7やグラムスターではこの穴がないため、スピーカーが耳にあたって違和感があったり、そもそも取り付け位置がどこかわからなかったりと困っていましたが…。これはありがたい機能ですね。ちなみに僕はデイトナ社のDT-E1というインカムを使っていますが、スピーカーはジャストフィットしました。

こういったスピーカー用の穴が空いています。
写真が見づらくてすみません。穴にスピーカーを入れたところです。
インカムを装着した状態がこちら。

重量

重さは1,415グラム(Lサイズ)で、同じサイズのZ-7が1,375グラムでしたので40グラムほどアップしています。ちなみにグラムスターは1,317グラムですから100グラムほど、Z-8が重いことになります。グラムスターから乗り換えた感想として、手に持って比べると「少し重くなったかな」とは感じますが、かぶってしまえば、ほとんど同じに思えました。

試乗レビュー

早速近所をひとっ走り。購入してすぐ試したのでシールドはクリア、インカムも付いてません汗

さて、いよいよ試乗レビューです。早速ですが、休日に近所を走ってみました。気になるポイントは2つ。静粛性、空力性能についてですね。

静粛性

グラムスタートは比較にならないレベルで静かですね。Z-7も静粛性が高かったですが、Z-8は本当に静かでスピード感が少し狂いそうになりました。もちろん静寂とまでは行かず、外部音も入ってきますが、風切り音が圧倒的に少ないんです。グラムスターでは、ハーレーの排気音が50km/hくらいから風切り音で聞こえなくなりましたが、Z-8では80km/hでも程よく聞こえます。

インカムで音楽も流してみましたが、80km/hでもしっかり聞こえます。グラムスターでは音量をあげないと聞こえませんでしたが、Z-8ではその必要がありません。耳に良さそうですね。ちなみに僕はインカムを装着によってイヤーパッドを外してしまいましたが、このイヤーパッドにも相当な静音機能があるよう。これをつけていれば、さらに効果が見込めるのかも知れません。

1000kmほど走ってみましたが、性能は言うことありません。素晴らしいヘルメット。

空力性能

僕は法定速度くらいでしか走らないので、正直コレはあまり進化を感じられないポイント…。このためZ-7やグラムスターとの差は、まったく感じません。ただ首を左右に振った時、これまで感じていた風圧はかなり減少しているように感じます…ブラシーボ?笑

結論

正直、これはすごいヘルメットだと思います。Z-7を初めてかぶったときも感動しましたが、Z-8はそれ以上ですね。Z-7で問題に感じていたネガティブな部分がほぼなくなり、また静音性などもともと強みだった部分が大きく向上しています。それで重量は+40グラムというのは、さすがショウエイといったところでしょうか。

価格は、シールドを変えば6万円オーバーと高級ヘルメットの部類になるかと思いますが、その価値は十分にあるように思えました。